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秋分の日とビタミンD【管理栄養士ブログ】



みなさんこんにちは!

スマートライフreha管理栄養士の加藤です。


前回は身近な【熱中症予防のための水分のとり方】についてお話させていただきました。

まだご覧になっていない方は是非下記リンクからご覧ください!




秋分の日とは、9月22~24日頃にある日本国民の祝日の一つ。

「祝日法」によると「祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ」ことを趣旨とした、いわゆる秋のお彼岸ですが、天文学的に見て「昼と夜の長さがほぼ等しくなる日」の目安でもあります。

「暑さも寒さも彼岸まで」といった慣用句もあるように、秋分の日を過ぎると日照時間が短くなり、暑さが遠のくようになります。


1年の中で、日照時間・紫外線量は6~8月にピークを呈し、秋分の日がある9月以降は減少していきます。


日照時間が短くなり紫外線量が減ることで、より食べ物からの摂取を意識してほしい栄養素

それが今回のお話のテーマ【ビタミンD】です。




 

【目次】


 



1.ビタミンDの働き

ビタミンDの働きは

主要なものでは

・正常な骨や歯の形成

・カルシウムやリン、マグネシウムなどのミネラルの吸収を助ける働き

・血中のカルシウムの濃度を正常に保つ

ことが有名ですが、


・筋肉を動かすための神経伝達、筋肉の合成

など筋肉をつけるためにも重要な働きがあります。


また、

・免疫機能の正常な調整にも働き、

新型コロナウイルスの影響であらためて注目が集まりました。


他にも

・糖尿病予防、改善(インスリン分泌)

・発がんの抑制

などの臨床医療においても効果が期待される栄養素です。



2.ビタミンDの必要量

厚生労働省から出される『日本人の食事摂取基準(2020年版)』によると

ビタミンDの1日の摂取目安量は、18歳以上の男女ともに8.5μg


となっています。


ビタミンDの単位は重量“μg”の他に、ビタミンD効力“IU”という国際単位でも表されます。

1μg=40IUに換算されます。

サプリメントの表示で「1000IU」とみかけたらそれは「25μg」ということです。


また、ビタミンDは摂取の上限量が定められている栄養素でもあります。

18歳以上の男女ともに1日耐用上限量は100μgと設定されています。

通常のお食事から過剰になることは稀ですが、サプリメントなどを活用する際には気を付けて見ていきましょう。



3.ビタミンDを多く含む食品

ビタミンDは鮭、いわしなどの魚介類、しいたけ、きくらげなどのきのこ類(特に乾燥したもの)、卵類(特に卵黄)などに特に多く含まれます。



中でも特に含有量が優れているのはやはり魚介類。鮭1切で1日の摂取目安量をクリアできます。






4.ビタミンDは体内でも作られる

ビタミンDの供給源は外から食品で摂取するだけでなく、

実は人間の体内でも合成することができる栄養素です。


ビタミンDは、紫外線を浴びることによって、皮膚に存在する7-デヒドロコレステロールを材料にプレビタミンD(ビタミンD前駆体)が合成されます。これらが肝臓や腎臓で活性化され生体効果を持つビタミンDとなります。


日照時間が短くなり紫外線量が減ると、体内でのビタミンD合成量も少なくなります。

血液中のビタミンD濃度には季節変化があることが研究でも明らかになっています。

Okabe H, Shimizu C, Yamamoto M, Kikuchi R, Minami A, Chen YF, Imai H, Mizuta M, Chen Z, Chiba H, Hui SP. Determination of Serum 25-Hydroxyvitamin D3 by LC/MS/MS and Its Monthly Variation in Sapporo Indoor Workers. Anal Sci. 2018 Sep 10;34(9):1043-1047. doi: 10.2116/analsci.18P193. Epub 2018 Jun 1. PMID: 29863032.


特に緯度の高い北海道では、冬季では夏季に比較して、関東の3倍、夏季の16倍もビタミンDを生成するのに必要な日光浴の時間が増えるとも言われています。

Miyauchi, M., C. Hirai, and H. Nakajima, The solar exposure time required for vitamin D3 synthesis in the human body estimated by numerical simulation and observation in Japan, Journal of Nutritional Science and Vitaminology, 59, 257-263, 2013.


適度な日光浴に加え、体内でのビタミンDが減る分より食品から意識して摂取していきたいですね。




5.ビタミンDが不足すると

ビタミンDが不足すると、体内のカルシウム濃度が低下し、

成人では骨軟化症、骨粗鬆症など、小児ではくる病と呼ばれる骨の疾患を引き起こします。


他にも糖尿病や免疫力の低下、筋力の低下、認知症など様々不調に繋がるリスクがあります。



まとめ

骨や歯の形成に関わることで有名な栄養素【ビタミンD】ですが、

他にも筋肉や免疫機能、糖尿病やがん、認知症といったシニアに気になる働きに大きく関わっている栄養素です。


日照時間が短くなることで体内での合成量が少なくなることもわかりました。

秋、冬の季節はビタミンDを多く含む食品もより意識して、健康な毎日を過ごしたいですね!






 

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