みなさんこんにちは。
スマートライフリハ管理栄養士の籔本です。
前回のコラムでは「サルコペニア・ロコモ・フレイル」についてお話しさせていただきました。
まだご覧になっていない方は是非下記リンクからご覧下さい!
今回は健康診断で気にする方も多い「コレステロール」についてです。
【目次】
コレステロールとは
コレステロールは人間の体内に存在する脂肪分の一種です。
コレステロールと聞くとどちらかと言うとプラスのイメージよりも、病気を引き起こす一因、肥満などマイナスなイメージを持っている方のほうが多いように感じます。
しかし実は、身体にとって欠かすことのできない非常に大きな役割を担っているのです。
コレステロールの役割
コレステロールは細胞膜やビタミンD、女性ホルモンや男性ホルモン等の材料になったり、胆汁の成分となります。
通常の食事をしていれば不足することはほぼありませんが、不足してしまうと細胞膜や血管が弱くなったり、免疫力が低下したり脳出血のリスクが増加します。
その為、一概に悪者として決めつけることのできないのがコレステロールです。
善玉コレステロール
HDLコレステロールは悪玉コレステロールが全身に運んだコレステロールのうち、余剰になったコレステロールを肝臓に回収する働きがあります。
その為、HDLコレステロールは善玉コレステロールと呼ばれています。
悪玉コレステロール
LDLコレステロールは肝臓から全身の細胞にコレステロールを運ぶ働きを持っています。
人間に身体に必要不可欠なコレステロールではありますが増えすぎると余分なコレステロールが血液中に循環したままとなり、それが動脈硬化の一因となります。
その為、LDLコレステロールは悪玉コレステロールと呼ばれています。
コレステロールと脂質異常症
LDLコレステロールや中性脂肪の上昇、HDLコレステロールの低下した状態を
脂質異常症と言います。
この脂質異常症、別名「サイレントキラー病」、日本語でいうと「忍び寄る殺し屋」と呼ばれているのを知っていますか?
このような呼び方をされている理由が脂質異常症は自覚症状が殆どないからなのです。
脂質異常症を放置すると動脈硬化が進み、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞を引き起こしやすくなります。
コレステロールの摂取量
平成27年版4月改定の食事摂取基準の発表まではコレステロールの基準値を18歳以上の男性で1日当たり750ミリグラム、女性で同600ミリグラム未満としていました。
しかし「基準を設定するのに十分な科学的根拠が得られなかったため」という理由で基準値を撤廃しています。
そもそも
コレステロールには食物中から摂取される分と、肝臓で生合成される分があります。
肝臓で生合成されるコレステロールの量は全体の約80%を占めています。
つまり食事から吸収される分は約20%程度ということになります。
食事からコレステロールをたくさん摂取しても、その分肝臓で生合成されるコレステロールが減るように調節機能が働くため、食事で摂取するコレステロールの量がそのまま血中のコレステロール値に反映されるわけではないと言われているのです。
ただし、複数ある血中のコレステロールのうち悪玉のLDLコレステロール値が高い人は従来通り摂取制限が推奨されています。
またコレステロールに関する厚生労働省の報告書には「高齢者では摂取量を制限すると低栄養を生じる可能性があり注意が必要」とあり、高齢者には適度な摂取を推奨しています。
食事が血中コレステロール濃度に影響が出にくいとしても摂りすぎには注意したいですね。
LDLコレステロールを下げる食物繊維
コレステロールを下げる食事のポイントとしては食物繊維の摂取が挙げられます。
食物繊維には水に溶けにくい不溶性食物繊維と、水に溶けやすい水溶性食物繊維の2種類が挙げられます。
不溶性食物繊維は水分を吸収し便を柔らかくしたり、腸壁を刺激して排便をスムーズにしたり、有害物質を吸着して排出する作用があります。
食品でいうと穀類、豆類、きのこ等に豊富に含まれます。
一方水溶性食物繊維は、水溶性食物繊維は脂質の消化吸収を抑えたり、コレステロールの吸収を抑えて排泄を促したり、血糖値の急上昇を防いで糖尿病を予防する効果があります。
食品でいうと、昆布、わかめ、こんにゃく、果物などに多く含まれます。
このことからコレステロールを下げるという観点でみると水溶性食物繊維の摂取が重要になってきます。
まとめ
食事は薬ではないので即効性はありませんが・・・・・
身体の変化として顕著に表れます!
身体の仕組みを本当の意味で理解すると自ずと選ぶ食事も変わってくると思います。
コレステロールに限らず健康を少しでも意識した食事ができると良いですね。
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